ディープエコノミー 生命を育む経済へ

大企業による地域経済・社会へのインパクトは、目先の利便性以上に、単に顧客を奪うことだけでなく、その背後の多くの雇用を奪い、食品の地産地消的関係を壊し、地域コミュニティを分断するなど、様々な悪影響を及ぼしている。

ある地域に住む人が、同じくその地域に住む人のためになる仕事を営む。さらにその人は、また地域内の人のためになる仕事を営んでいる。このような相互補完的なコンパクトな経済(=ディープエコノミー)は、特に農業や食品製造・販売業など、地域の自然環境資源を活用しながら、そこで生活する人々の、必要最低限の基盤をカタチ作る分野で、大変重要だと感じた。

そしてこの経済は、地域の個性を育み、地域内外からの”輸出”や”輸入”に、良い影響を及ぼす。さらにこの経済は、地域内の人々同士の”つながり”を生み出す。これが地域をより良くする”素(もと)”となり、子育てや教育、福祉、まちづくりなどに役立てられる。

しかしこの経済が行き過ぎると、かつての閉鎖的な農耕社会や、共産主義的な体制に陥る可能性もあるが、地球温暖化に代表される環境問題や、いまだなくなることのない貧困問題には、プラスに働くように思う。

ヒトは、集まって暮らす動物だが、多くの人々が異なる考えを持つ地域の中で、”つながり”をひとつでも多くつむぎ出すためには、相当質の高いコミュニケーション能力が必要に思えてならない。

No comments: