奈良県三宅町 子育て複合施設MiiMo ランドスケープデザイン

 

明日香村からの帰りに、ランドスケープデザインをお手伝いしました、遂にグランドオープンの三宅町子育て複合施設MiiMoへ。
この施設は、幼稚園や小学校の通学路でもあり、学童、図書室、オープンキッチンなどなど、プログラムてんこ盛りな施設でして、大きな庇と広場が、それらを更に豊かなものにしてくれること間違いなし!
文化ホールを遮るように(建てた順番は逆)立地していた公民館も取り壊され、建物の西側に、広場と駐車場が完成、大きな建築配置からディテールまで含めたデザインの重要性をとても感じられる空間になっています。
駐車場は、広場と一体的かつ柔軟な利用ができるよう(例えば軽トラ野菜市やホールイベント時の増設駐車場など)、また文化ホールのフロントにもなるようデザインしました。
限られた予算のなか、色々と調整頂いたGGDLの皆様には本当に感謝です!
早速地元の子供達が、我が家のように寝そべっていたのが印象的でした。笑










建物からのプログラムにじみ出し感を表現しつつ、役場へのアプローチやリスペクトも意識した舗装パターン。











この庇の深さが、夏の暑い日や雨の日の子供達の居場所を生み出してくれます。













欲を言えば植栽で緩やかに駐車場と広場を隔てたかったのですが、まあ色々あります。笑











早速スケボー少年登場。ノボリ設置管兼スケボー対策用金物が、コンクリートベンチに付けられなかったので、都合良いので恐縮ですが、マネジメントでええ感じにして欲しい。。。(笑)


大阪市住之江区 北加賀屋APartMENT ランドスケープ計画

大阪市の西側、港湾エリアに位置する社宅を8名のアーティストによって賃貸アパートへコンヴァージョンする、アートアンドクラフトさんプロデュースによるユニークなプロジェクトです(全体事業はこちら)。

ランドスケープとしては、地域や敷地の魅力を踏まえつつ、アーティストの作品ともいえる賃貸アパートやそこでの暮らしをいかに屋外空間から豊かに支えていくかがミッションでした。



まずは社宅のバルコニーから屋内への動線(この改変だけでもかなりユニーク!)を確保するため、海沿い川沿い住之江区を意識した、鋼矢板によるステップを設けました。

ちなみに鋼矢板とは、海や川と陸を隔てるときに地面に打ち込んで使用する分厚い鉄板です。中古品はあまり流通していないなか、このエリア最強!?の施主様にご用意頂きました。

施工中の画像。既設で駐輪場や物置の土間Co舗装があったのですが、これらを違和感なく活かす舗装パターンを考えました。

施工後の画像。この広場では、単にメインエントランスや駐輪だけでなく、段差や椅子に腰かけてくつろぐことや、イベントやパーティーなども開催できるようイメージしながらデザインしています。

別アングル、施工前の画像

施工中の画像

施工後の画像。
高木はジューンベリーを植栽していまして、4月には白い花をいっぱい咲かせると思います。

植栽の考え方としては、これまた世界的潮流であるアーバンファーミング(都市内農業)による都市再生手法として、既にこのエリアでも取り組まれている「北加賀屋みんなのうえん」の雰囲気を意識したものとしています。

例えば、ジューンベリーやイチジク、ローズマリーなど食用可能な樹種選定や、果樹園などで使われるナーセリーポットをプランターとして使っている点です。

また砂利敷きが広がる設えを想定していたので、素材が持つ印象を踏まえ、少し乾いた場所を意識した配植としています。

小学校校庭のシュロノキ、借景してます。ちょいドライな印象でてるでしょ?

ファニチャーとしては、既設の可動式門扉や廃材を再利用して、ハイバックの長椅子を制作しました。隣接する小学校のチャイムや放送を聴きながら、ここでのんびり過ごしてもらえたらと思っています。ちなみにこの門扉長椅子、重いですがちゃんと動きます。笑
椅子をゴロゴロ動かして、ブロック壁を白く塗装し、アウトドアナイトシネマをやろうと思っていたのですが、さすがに小学校の壁は高かったのです。。。笑


産業構造転換から、まちの次のビジョンをアートによって再構築する潮流は、ヨーロッパの港湾都市やNYC・北京など、世界的なもので、大阪もそのムーブメントにのっかれているのは本当にワクワクしますねー。

エッジのきいた個人旅行の内外観光客が、スマホ片手にこのまちをブラブラし始めるのはもうすぐ!(北加賀屋拠点マップ)

是非とも一度訪れて、気に入れば是非とも住んでみて!?下さいませ。

からほり新聞に掲載頂きました。

からほり新聞29号に、空堀の今後のあり方に関する文章を掲載頂きました。

からほり新聞 29号 P2「からほりを次世代に」


生駒市 戸建庭


 リノベーションされたハウスメーカーの戸建住宅の庭です。建築・通路・
ファニチャーはSPACESPACEさんでして、大変ユニークな設えとなっています。

ランドスケープデザインとしては、全体性を感じる広がりと、ローメンテナンスに配慮しました。



全体性とマルチング効果を狙って、近隣で採掘されている砂利を敷いています。砂利のサイズを2種類用いることで、風景にアクセントを与えています。エントランスの植物は、割栗石とのコントラストをねらって、風にそよぐナチュラルな樹種を選定しています。
 程よく見通せる南側の庭。
 南側の庭の砂利は、お子様が下りて遊べるよう、厚めに敷いています。段差の使われ方を意識したテーブルの置き方が素敵です。
屋内からの窓辺を彩り、ゴミ置場を目隠しするブルーベリーの鉢植え。あえて鉢植えとすることで、存在感を強めつつ成長調節のしやすさに配慮しています。

奈良市 戸建庭

道路と玄関の高さが1600mmほどもあるなか、エントランス自体がひとつの庭となるよう、様々な段差を行き来し、それが階段としての機能を有するようなデザインを心がけました。

モティーフとして、建築家カルロ・スカルパのオリベッティ ショウルームがありました。

また、時には陶芸家の奥様の作品も展示できる設えとなっています。

白系花崗岩をふんだんに使った”段差”が、豊かさを表現しています。 
水平性を強調することで、建物に落ち着きを与えます。
段差のデザインを駐車場まで派生させて、目地の入れ方で、単調なコンクリート舗装の広がりに個性を与えています。
外壁にモッコウバラを誘引しました。建築や構造物に植物が程よく絡まる姿は、豊かな暮らしの風景を演出します。
リビングからは、高い宅盤を踏まえた低めのフェンス越しに、パブリックの緑を取り込みました。

BIDについて

BIDとは、自治体の条例に基づく特別区の一種。

特定地区内の資産保有者から負担金(Assessment)を徴収する権限を持っており、それを使って地域の産業の活性化などを行なう組織。NPOなどが運営者であることが多い。

1970年代からカナダ、アメリカにて中心市街地活性化の効果的な実践策として、ビジネス・インプルーブメント・ディストリクト (Business Improvement District) の手法が展開される。

主な事業内容

①公共空間の清掃及び維持管理作業
   (ごみ収集や落書き消し、植栽管理なども含まれる)

②警備・治安維持作業

③マーケティング事業
   (イベントの企画・実施、その他情報発信)


④企業誘致・定着化


⑤公共空間のルールづくり及び維持管理
   (路上販売、パフォーマンス、荷揚げ&おろし時間や場所の取り決め、各種施設の設置・維持管理)


⑥交通マネジメント
   (駐車場管理、駐輪管理、待合所の管理など)

⑦魅力な都市空間の創出
   (地区内のガイドライン作成、ストリートファニチャーなどのデザイン調整、ファサード改善の促進など)

⑧社会事業
   (ホームレス救済事業、就労支援、起業支援)

など。


ニューヨーク市では、
・土地建物の評価額
・ファサード面の広さ
・敷地や床面積の広さ
などから、負担金を算出。市税の20%が上限。


ニューヨーク市には2009年度、64のBIDが存在。
うち予算規模が500万ドル以上のBIDが6件あり。
Bryant ParkTimes Square Alliannceもこのクラス。
このクラスは歳入(Revenue)の
75%程度が負担金(Assessment)
7%程度が補助金(Grants)
9%程度が寄附金(Fundraising)