2024/7/14 茨木市 おにクル。

 遅ればせながら、茨木市にある文化・子育て複合施設 おにクルへ。

2023年11月開業で、設計は伊東豊雄氏と竹中工務店。ファニチャーデザインは藤森泰司氏。

約10万冊所蔵する図書館をはじめ、最大約1200席の大ホールやプラネタリウム、防音機能を備えた多目的室などがあります。
2階にはこども支援センターが入っており、妊娠、出産、子育ての相談、一時保育等をワンストップで展開。

空間構成は、言ってしまえば欲望が渦巻いていない窓沢山の大型ショッピングモールで、縦の道という吹き抜け空間で、各階の雰囲気を緩やかに共有しており、そこにめちゃくちゃ多種多様な居場所やプログラムが展開されています。

館内の至るところに配置された優しいデザインの様々な本棚に、場所に応じて自在に過ごすことのできるデザインのファニチャーは、もう羨まし過ぎます。。。

立体公園とも称していますが、もはや公園を軽く越えていて、みんなが絶妙に同居できる屋内外含めたリビングのようになっています。

なので本当に多世代の利用がみられるのですが、特に学生達は、自習からデートスポットにも使っています。😆

もしここへ飲食や物販施設をもう少し絡められたら、これからのまちのような新しい建築モデルができそうですね。

人口28万人でそれほど減少幅もない、交通の便のとても良い茨木市にとっておにクルは、総事業費160億円やけど、まさに鬼に金棒や!!🙇

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広場が北向きなのもテラスにとって良さげ。

市役所真横モデル。

人研ぎ大滑り台は大人気。それを見守れるスペースもあり。

ホールのフライタワー外壁を使った名和晃平氏のアート。彼は茨木の高校へ通っていた縁だとか。

縦の道。

1階の飲食施設。この建築で、もっと商売できそうです。

有料の屋内プレイスペース。

図書館メインのフロア。ちなみに本棚は各階に散りばめられています。管理もうまく出来てますー。

7階は高校生や市内に6つもある大学の学生が使っていそうな感じ。ホンマ良う出来てる。

最上階からの眺望。元茨木川の緑地が北摂の山へと向かう。

2024/7/16 住吉公園 汐かけ横丁。

 昨日月曜日祝日に、日本最古の公園のひとつであり、今年で151年目の住吉公園に7/15オープンした、住吉公園 汐かけ横丁へ行ってきました!

事業者は、大阪府から住吉公園Park-PFI事業を選定・受託されたRETOWN・E-DESIGN共同事業体。
大阪最強飲食事業者でPPP事業もいくつもされているRETOWNさんと、Park-PFIの総本山!?みたいなE-DESIGNさんのタッグは、もはや無敵モード。
約450㎡の敷地には、串はらい団子の和カフェ「兎茶や」と、出店事業者説明会で集められたドーナツ店や居酒屋など、16の飲食店が並びます。
それぞれの席数を8席と小さめにした、言わばチャレンジショップ型なのですが、これを空間の質を保ちつつ食のクオリティを出しながら切り盛りされている感じがホンマ素晴らしい!
そしてひしめき合うように建てられた各店舗の8席(この狭さがポイント!)と、細い路地のような屋外のテーブル席が、心地よい界隈性を生み出し、自然と客同士の交流も生まれる仕掛け。
この業態、日本全国回れると思います。笑
やはり屋外も含めた界隈型は、小規模だからこそ力を発揮するという答えに至りました。
住吉公園は、かつて茶屋や料亭、民家まで建ち並んでしまった歴史があるのですが、それを整理し、仕組みを活かし、時を経て再び参道の賑わいに資する施設が整備されるのはとても良いことだと思います。
ちなみに汐かけ横丁という名前は、住吉大社参道の「汐掛道」にちなんで名付けられたものですが、住吉大社は、約1800年前、西暦211年に神功皇后(じんぐうこうごう)によって建立とされ、日本全国に約2,300社ある住吉神社の総本宮です。
この再び揃い出した状況、楽しみでしかありません!

観光のタイアップと、住吉大社の力をうまく絡められたら化けまっせ!

屋外界隈型の分棟サイズがええ感じ。クロマツきれい。

こんな路地のような場所もあります。

大正時代の住吉公園。建物建ち過ぎて、ワヤになってます。

江戸末期の住吉大社及び公園。江戸末期でも紀州街道、もとい十三間堀川まで入り江が掘られています。

住吉大社内の太鼓橋。かつてはラグーンでやはり港湾機能を有していたからこそ、海の神様で摂社2300!

2024/7/19 西宮市の宮水。

 宮水(みやみず)とは、兵庫県の灘地域(特に西宮市周辺)で、江戸末期に発見された、酒造りに適した水。

花崗岩層の多い、六甲山系からの3つの伏流水が、かつての入江である武庫水門(むこのみなと)の、ちょうど砂嘴部で汲み上げられたもの。

おおむね地下2~5mの地層なので、かなり浅いところを流れています。

宮水は鉄分が少なく、カルシウムやマグネシウムを適度に含んでおり、酒の発酵を助け、品質の良い日本酒を醸すのに理想的な水だったため、灘は最強のブランドを手にすることになる。

また、水質を守り、水脈を切らないよう、組合があったり、市中に沢山の観測井戸があったり、秋冬の酒造期は土工事が難しかったり、阪神高速の橋脚でさえも、この水脈部分は長大スパンに設定されていたりと、ランドスケープなネタに事欠かず、萌える♡

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宮水発祥の地。シンメトリーで厳かさがええ感じ。

宮水庭園。うってかわって不思議なデザイン。

国道43号線の橋脚。確かに長大スパン。

以前に訪れた廣田神社の解説板画像を流用。
このでばった砂嘴地形になんと宮水採取地があるのです!

2024/7/24-25 大阪堂島浜タワー カンデオホテル。

 昨晩は初祇園祭を存分に楽しめました。🙇


京阪終電で大阪市内に戻り、建て替え新築ビルである大阪堂島浜タワーの、7/17開業したカンデオホテルにプチ夏休みな宿泊。
開業まもなくまだ空いているなか、いろいろ工夫したらリーズナブルに宿泊できました。

旧淀川である大川に面した、大阪中心部の旧市街(北浜船場グリッド街区エリア)を一望できる、立地を活かした開放的な空間がとても素晴らしい!

特に中間階にあるフロントやレストランの、眺望を活かした広がりや、最上階のスパやサウナ、フィットネスジムの開放感は、もはや新体験です。

ちなみにこの露天風呂は、高さ127mにあるのですが、「建造物内における、世界で最も高層階にあるインフィニティ露天風呂/ Highest outdoor infinity public bath in a building」としてギネス世界記録に認定されているそう。笑

もう一日遅かったら、本日天神祭の奉納花火を満喫できたのですが、こればかりは仕方ない。。。笑

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この御堂筋を見通す視点場、新鮮です。サウナや露天風呂からも体感できます!

朝食が食べられるレストラン、うねる大川が一望できます。視点場が高い男湯露天風呂からは、大阪城も望めます。


フロントにある17階のテラスは、屋外にも出られます。流石に出ているのは私だけですけどね。😅

北側も、北新地を挟んでキタの摩天楼が一望です。

奈良県三宅町 子育て複合施設MiiMo ランドスケープデザイン

 

明日香村からの帰りに、ランドスケープデザインをお手伝いしました、遂にグランドオープンの三宅町子育て複合施設MiiMoへ。
この施設は、幼稚園や小学校の通学路でもあり、学童、図書室、オープンキッチンなどなど、プログラムてんこ盛りな施設でして、大きな庇と広場が、それらを更に豊かなものにしてくれること間違いなし!
文化ホールを遮るように(建てた順番は逆)立地していた公民館も取り壊され、建物の西側に、広場と駐車場が完成、大きな建築配置からディテールまで含めたデザインの重要性をとても感じられる空間になっています。
駐車場は、広場と一体的かつ柔軟な利用ができるよう(例えば軽トラ野菜市やホールイベント時の増設駐車場など)、また文化ホールのフロントにもなるようデザインしました。
限られた予算のなか、色々と調整頂いたGGDLの皆様には本当に感謝です!
早速地元の子供達が、我が家のように寝そべっていたのが印象的でした。笑










建物からのプログラムにじみ出し感を表現しつつ、役場へのアプローチやリスペクトも意識した舗装パターン。











この庇の深さが、夏の暑い日や雨の日の子供達の居場所を生み出してくれます。













欲を言えば植栽で緩やかに駐車場と広場を隔てたかったのですが、まあ色々あります。笑











早速スケボー少年登場。ノボリ設置管兼スケボー対策用金物が、コンクリートベンチに付けられなかったので、都合良いので恐縮ですが、マネジメントでええ感じにして欲しい。。。(笑)


大阪市住之江区 北加賀屋APartMENT ランドスケープ計画

大阪市の西側、港湾エリアに位置する社宅を8名のアーティストによって賃貸アパートへコンヴァージョンする、アートアンドクラフトさんプロデュースによるユニークなプロジェクトです(全体事業はこちら)。

ランドスケープとしては、地域や敷地の魅力を踏まえつつ、アーティストの作品ともいえる賃貸アパートやそこでの暮らしをいかに屋外空間から豊かに支えていくかがミッションでした。



まずは社宅のバルコニーから屋内への動線(この改変だけでもかなりユニーク!)を確保するため、海沿い川沿い住之江区を意識した、鋼矢板によるステップを設けました。

ちなみに鋼矢板とは、海や川と陸を隔てるときに地面に打ち込んで使用する分厚い鉄板です。中古品はあまり流通していないなか、このエリア最強!?の施主様にご用意頂きました。

施工中の画像。既設で駐輪場や物置の土間Co舗装があったのですが、これらを違和感なく活かす舗装パターンを考えました。

施工後の画像。この広場では、単にメインエントランスや駐輪だけでなく、段差や椅子に腰かけてくつろぐことや、イベントやパーティーなども開催できるようイメージしながらデザインしています。

別アングル、施工前の画像

施工中の画像

施工後の画像。
高木はジューンベリーを植栽していまして、4月には白い花をいっぱい咲かせると思います。

植栽の考え方としては、これまた世界的潮流であるアーバンファーミング(都市内農業)による都市再生手法として、既にこのエリアでも取り組まれている「北加賀屋みんなのうえん」の雰囲気を意識したものとしています。

例えば、ジューンベリーやイチジク、ローズマリーなど食用可能な樹種選定や、果樹園などで使われるナーセリーポットをプランターとして使っている点です。

また砂利敷きが広がる設えを想定していたので、素材が持つ印象を踏まえ、少し乾いた場所を意識した配植としています。

小学校校庭のシュロノキ、借景してます。ちょいドライな印象でてるでしょ?

ファニチャーとしては、既設の可動式門扉や廃材を再利用して、ハイバックの長椅子を制作しました。隣接する小学校のチャイムや放送を聴きながら、ここでのんびり過ごしてもらえたらと思っています。ちなみにこの門扉長椅子、重いですがちゃんと動きます。笑
椅子をゴロゴロ動かして、ブロック壁を白く塗装し、アウトドアナイトシネマをやろうと思っていたのですが、さすがに小学校の壁は高かったのです。。。笑


産業構造転換から、まちの次のビジョンをアートによって再構築する潮流は、ヨーロッパの港湾都市やNYC・北京など、世界的なもので、大阪もそのムーブメントにのっかれているのは本当にワクワクしますねー。

エッジのきいた個人旅行の内外観光客が、スマホ片手にこのまちをブラブラし始めるのはもうすぐ!(北加賀屋拠点マップ)

是非とも一度訪れて、気に入れば是非とも住んでみて!?下さいませ。

からほり新聞に掲載頂きました。

からほり新聞29号に、空堀の今後のあり方に関する文章を掲載頂きました。

からほり新聞 29号 P2「からほりを次世代に」